病理診断科では、検査や手術などで患者様の体より採取された病変の組織や細胞を詳しく観察して病理診断を行っています。採取された組織は病理検査室で適切な処理を行い、顕微鏡で見るためのガラス標本となります。これを専門的な知識を有する病理医が診ることにより、病変がどのような病気なのか、癌かどうか、などを診断します。当科では臨床各科との連携のもと、より適切で効果的な治療の選択のお役に立ちたいと考えます。
病理科は患者様が胃などの内視鏡検査を行い、病変から組織を一部採られた場合(生検)、厚さ3-4ミクロンの顕微鏡標本を作成して病理組織学的診断、いわゆる病理診断を行っています。もし胃の生検で悪性と診断されると患者様は外科的に、あるいは症例によっては内視鏡的に病変の切除が行われますが、切除材料についても癌の拡がりや深さを含め癌が全部取りきれているかどうか、血管やリンパ管への入り込み(脈管侵襲)の有無、リンパ節転移などについて詳細に調べます。これらは通常4、5日で主治医に報告されます。
手術中に術中迅速病理診断として凍結標本を作成し切除断端の癌浸潤やリンパ節転移の有無について15-20分程度で電話返答をしています。もし、断端に癌が出れば外科医は直ちに追加切除などの操作を行い再手術をせずに対応できます。