令和6年の年明けに石川県能登地方一帯は、阪神・淡路大地震を超える最大震度7という「能登半島地震」に見舞われ、甚大な被害を受けました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。東千葉メディカルセンターでは、震災後直ちにDMATを現地に派遣し、被災地の医療支援にあたりました。DMATとは、災害急性期に活動するトレーニングを受けた医療チームで、当センターはDMATを派遣するDMAT指定医療機関になっています。また、災害拠点病院に指定されており、万一周辺に災害が発生した時には、東千葉メディカルセンターの災害医療の訓練を受けたスタッフが中心となって地域の医療を支えます。
直面している医療の課題をみますと、わが国は少子高齢化が進んでおり、東千葉メディカルセンターの周辺の地域でも、75歳以上の人口は令和12年(2030年)頃をピークに、高齢者の増加が今後も続いていきます。高齢者はいくつかの病気を抱えている方が多く、また急に体調を悪化されることも珍しくありません。そこで、高齢者の医療を考えますと、急な不具合に対応できる救急医療、そして複数の診療科の連携が可能な総合病院へのニーズが高くなります。東千葉メディカルセンターは、地域の急性期医療を担う基幹病院として、また救命救急センターとして、役割はこれからも大きくなると認識し体制を整えています。また、今後も新型コロナウイルス感染症を含めて、多様な感染症の流行リスクは決して低くありません。東千葉メディカルセンターは感染症の重点医療機関として、これからも地域の役割を果たしてまいります。
一方で、東千葉メディカルセンターでは、病院運営の問題が明らかになったことで、病院体制を刷新させ運営の適正化を進めてまいりました。しかし、まだ課題が多く残されておりますので、引き続き病院の組織能力の充実と向上に努めてまいります。
令和6年4月より医師の時間外労働を規制する「医師の働き方改革」が始まり、医師数の不足や医師の偏在化もあり、診療の制限を行う医療機関が出ています。東千葉メディカルセンターは、少しずつですが医師数は増えており、現在の医療体制の維持に問題はありません。このように医療の多様化が進む状況において、皆様方から頼りにされる地域の病院として、職員一同力を合わせて医療の質の更なる向上に努めてまいります。ご指導・ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。