放射線部

患者さんへ
放射線部では、放射線機器を用いて医師の適切な診断・診療をサポートするために最善の医療画像・情報提供することを目指しています。高度で専門的な医療に対応できるよう、最新の放射線機器の設備・導入を図り、各種緊急検査(X線撮影,CT検査,MRI検査,血管造影等)にも迅速に対応しています。
現在、放射線技師18名のスタッフが放射線診療を行なっています。絶えず進化し変化する医療機器・技術に対応するため、それぞれにモダリティの専門・認定資格の取得し、学会や研究会等へ参加し、さらなる技術向上を目指しています。
放射線部について
- 単純X線写真や各種造影検査、CT、MRIなどを用いた画像検査を行っています。
- 画像ガイド下で局所手術(IVR:インターベンショナルラジオロジー)を行う業務も担当します。
- 当センターは電子カルテと放射線情報管理システム(RIS)の構築により、完全にフィルムレスで運用されています。
- 各検査で撮影された画像は医用画像システム(PACS)、および動画サーバーで管理されており、各診療科の医師は電子カルテ端末を見ながら診断を行っています。
- 地域の中核病院として救命救急医療・高度専門医療に対応した最先端医療機器を整備し業務を行っています。
主な業務
1.一般撮影(レントゲン)
- 病気やけがを診断するためにX線を人体に照射し、それを画像として記録します。
- 一般撮影検査は、全身の様々な部位・臓器に対して行われます。
- 【骨・関節撮影】全身の骨・関節(骨折の有無や椎間板の診断など)
- 【胸部撮影】肺・気管・心臓・大動脈など(肺野の炎症状態や腫瘍の診断など)
- 【腹部撮影】肝臓・腎臓・膵臓・脾臓などの腹部臓器や消化管のガスなど(胆石・腎石の有無や腸閉塞の診断など)
2.骨塩定量
- 骨塩定量検査とは、骨の中にあるカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分が、どのくらいの量があるのかを計測するものです。
- 骨の中のミネラル成分が不足してくると、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。
- 高齢者では治りが遅いため、骨折がもとで寝たきりになってしまう人も少なくありません。
- 骨密度を測定することは、中高年以上の女性に多くみられる骨粗鬆症の早期発見、治療効果の判定などにも、非常に重要です。
- 当センターでは2種類の異なるエネルギーを持つX線を用いて、腰椎と大腿骨近位部の両者を測定することにより骨粗鬆症の診断を行っています。
3.マンモグラフィ
- マンモグラフィとは乳房のX線撮影のことです。
- 乳房は柔らかい組織で出来ているため、専用の装置を使用し板状のプレートで乳房を挟んで圧迫し、薄く引き伸ばして撮影します。
- 圧迫の際に痛みを生じますが、乳房の厚みを薄くすることで診断精度が高くなり尚且つ、患者様の被ばくを軽減するメリットがあります。
- 当センターでは、日本乳がん検診精度管理中央機構の認定試験に合格した女性診療放射線技師が撮影を行っています。
- 撮影は全部で4回(右乳房2回、左乳房2回)行い、所要時間は約10~15分程度です。
4.パントモグラフィ(歯科撮影)
- パントモグラフィとは、主に歯全体の様子や顎の骨(上顎骨・下顎骨)をX線で撮影する画像検査です。
むし歯や歯周病、歯肉炎、歯根の炎症、親知らずの状態、さらに顎骨の骨折や顎関節の状態把握を目的として行います。 - 撮影中は頭の周りを装置グルグルと回転します。
- 検査時間は5分程度です。
5.CT
- CT検査ではX線を人体の周囲360°にわたり照射し、その透過収集したX線の量をコンピュータにより解析し画像化します。
- 当センターではCanon製の世界最大多列:320列の検出器を持つAQUILION ONE/VISION EDITIONを使用し検査を行っています。
- わずか一回転で広範囲の撮影を行うことができ、短時間で撮影できるためX線の被ばくや造影剤の量を減らすことが可能です。
- 装置の進歩に伴い高速で撮影可能となったことで心臓や大動脈などの動きのある部分や脳血管などの小さな病変も鮮明に描出することができます。
- 頭部から足まで全身の検査に使用でき、病気の早期発見に大きな効果を発揮します。
- 病気をより詳しく調べるため造影剤を使用する事もあります。
6.MRI
- MRI検査は強力な磁石を用いて、体の中を撮影していきます。
磁気と電波を使用するため、被ばくはありません。 - 当センターではPHILIPS社製の最高機種であるIngenia1.5T、Ingenia3Tを使用し検査を行っています。
- 検査内容により所要時間は異なりますが、おおよそ15分から60分位の範囲です。
- 体内に金属(心臓ペースメーカー・人工内耳・脳動脈瘤クリップなど)がある場合検査を受ける事ができない場合があります。
7.X線TV室
- X線TV室は胃透視検査や注腸造影検査などを中心に行います。
- 当センターでは内視鏡検査や整形領域など多目的な用途で使用されています。
- フラットパネル(FPD:FlatPanelDetector)といわれる平面検出器を搭載したX線TV装置を用いて検査を行っています。
8.IVR-CT室(血管造影CT複合型装置)
- IVR(InterventionalRadiology)といわれる、血管造影などの特殊診断手技の治療を行います。
- 当センターではCanon社製Infinix Celeve-i(血管撮影装置)とAquilion(CT装置)を複合したシステムで検査を行っています。
- X線により体の内部をリアルタイムで透視・撮影ができる装置と、体の内部の精密な断層撮影ができる64列CTが一体型となっているのが特徴です。
- X線透視下で検査・治療ができ、同じベッドに寝たままCT撮影ができるので、より精密な検査ができ、かつ患者様の負担を軽減することができます。
9.バイプレーン血管撮影室
- カテーテルと呼ばれる細い管を目的の臓器まで挿入し、造影剤を注入して血管の状態を撮影します。
- 動脈瘤の有無、血管の狭窄や閉塞、腫瘍の分布や血流状態を知るための検査です。
- 検査、治療は大きく分けて頭部(脳)、腹部、心臓、大血管に分類されます。
- 急性心筋梗塞、脳動脈瘤、急性脳血管梗塞症、外傷による腹腔内出血など緊急を要する検査、治療に対しては24時間対応しています。
- 当センターではPHILIPS社製Allura Clarity FD20/10を使用し検査を行っています。
10.ハイブリッド血管撮影室
- ハイブリッド血管撮影室とは、手術室に放射線透視装置を造設したもので、手術室と透視装置を統合したという意味でハイブリッドと呼ばれています。
- 当センターでは、PHILIPS社製FPD搭載X線血管造影装置「Allura Xper FD 20」およびマッケ社製外科用手術寝台「Magnus(マグナス)」を使用し検査を行っています。
- 手術室内に高度な透視性能を備えた装置を設置することで、通常の定型的手術とカテーテル治療を統合して行うことができます。
- 患者さんの病状にあわせて、ある部分は通常手術、ある部分はカテーテル治療といった、お互いの利点を存分に発揮しあえるハイブリッド手術が、とても清潔な空間のなか、極めて高い精度で可能となります。